クラウドへの連携方法:マルチクラウドの高可用性の確保

マルチクラウドの高可用性(HA)によって、企業の貴重なアプリケーションやデータ資産を多大な被害をもたらすシステム停止や停電から保護し、事業継続性(BC)や災害復旧(DR)も可能になります。 
しかし、オンプレミスやクラウドインフラストラクチャの両方において、計画的および計画外のダウンタイムに対して、最善の保護対策はどのようにすればよいのでしょうか? 
その答えは「ケースバイケース」だと言えます。その理由として、高可用性のシナリオに関して、マルチクラウドアーキテクチャを活用した選択肢が多数存在することが挙げられます。 
では、その中でも一般的なユースケースをいくつか紹介していきます。

クラウドへのプライベート相互接続を活用

この記事では、クラウドの高可用性を3つのレベルに分けて説明します(データ間、アプリケーション間、クラウド間)。
まずは、クラウドへのセキュアなダイレクト接続を確実に行うため、プライベート相互接続がどのように重要な役割を果たしているか紹介します。 以下を含む主要なパブリッククラウドプロバイダーでは、オンプレミスまたはコロケーションのITインフラストラクチャ、そしてパブリッククラウド間の専用プライベート相互接続を提供しています。

·         Amazon Web Services (AWS) Direct Connect

·         Microsoft Azure ExpressRoute (Azure StackOffice 365もサポート)

·         Google Cloud Partner Interconnect (Google G Suiteもサポート)

·         Oracle® Cloud Infrastructure FastConnect

·         IBM Cloud Direct Link

·         Alibaba Cloud Express Connect

ソフトウエア定義の相互接続を使用して、Platform Equinix® でハイブリッド/マルチクラウドのインフラストラクチャを展開するために、上記のクラウドやさらに多くのクラウドダイレクト接続をEquinix Cloud Exchange Fabric™ (ECX Fabric™)でサポートしています。

では、以下の例を通じてその実現方法を詳しく説明していきます。

冗長化からスタート

地域分散型データセンターに自社のITインフラストラクチャ(クラウドベースのサービスを含む)の複製を作ることが、マルチクラウドの高可用性の基礎作りのためのキーポイントとなります。 
自社のプライマリの本番拠点から地理的に離れた場所に強固なDRインフラを必要としていますか? セキュリティポリシーや法規制の要件を満たす高パフォーマンスのデータバックアップやリカバリの環境を必要としていますか? 計画外のダウンタイムまたは計画的保守作業中に信頼性の高いアプリケーションのフェイルオーバーを保証する高可用性のアーキテクチャはどうでしょうか?  
必要な場合、オンプレミスまたはクラウド内のどちらかに企業のプライマリITインフラストラクチャをセカンダリにミラーリングすることは、どんな投資よりも価値がある予防策となります。エクイニクスのようなグローバル相互接続やデータセンタープラットフォームを選択することで、高可用性を備えたCAPEX(設備投資費用)とOPEX(運用費用)の両方の費用削減を後押しすることができます。また、世界中の多くのデータセンターを横断して総合的なデータセンター運営の一貫性を担保できます。

Platform Equinixでクラウド内に自社のITインフラストラクチャ全体を複製する選択もあり得ます。 Platform Equinixによって、CAPEX費用を従量課金ベースのOPEXモデルへ完全に転換することで、かなりのCAPEX(設備投資費用)が削減できます。そして、今日の仮想化テクノロジーにより、迅速なフェイルオーバーや事業継続性のために、自社のプライマリインフラを完全に冗長化する必要はありません。なぜなら、クラウド内のミッションクリティカルなアプリケーション環境の2番目のインスタンスを動的に実装することができるからです。 

必要とする高可用性のタイプを検討

システム/ストレージ/アプリケーションのマルチクラウドのプラットフォームへの複製に着手する前に、どこに、そして、どのようにして高可用性を利用するのか考えてください。最も保護したいデータセンターインフラストラクチャやアプリケーション、データ環境は何か? データやアプリを最善の形で保護するために、どこにプライマリの本番とセカンダリのリカバリのゾーン(オンプレかクラウド内か)を設定したのか? マルチクラウドの高可用性のインフラストラクチャの場所や方法を決める前に、こうした全ての質問に対する回答を用意しておくべきです。 では、以下の高可用性を備えたマルチクラウドのシナリオにおいて可能なことを確認していきましょう。

データ間

下図は、企業のセキュリティポリシーや法規制を満たすために、確実に管理されたプライベートのオンプレミス環境内でデータ保護を必要とするケースです。しかし一方で、データにアクセスするその他全てのアプリケーションはクラウドの計算能力や拡張性を必要としている状況を表しています。地理的に離れた2つのエクイニクスのInternational Business Exchange™ (IBX®)データセンターにデータを格納し、ECX Fabricを介してOracle® Cloud Infrastructure (プライマリ)と別のクラウドプラットフォーム(セカンダリ)間の両データストアに冗長化したプライベート相互接続を行うことで、データやアプリケーション環境が保護されます。プライマリデータストアをIBXデータセンター間のセカンダリのデータストアに複製を作成し、その他全てのアプリケーションをOracle Cloudとその他のクラウドプラットフォームでバックアップすることで高可用性も実現できます。このクラウド隣接のアーキテクチャでは、ECX Fabric、クラウドプラットフォームの物理的接続、および企業が選択したネットワークキャリア間で構築された冗長のソフトウエア定義接続と物理接続を通じて、データやアプリケーションにアクセスすることができます。

アプリケーション間

下の例のように、ニューヨークのIBXのデータセンターは、プライマリの本番施設であり、ワシントンIBXの施設はセカンダリのバックアップ用となっています。ECX Fabricを介して両方をVMware Cloud in AWSに相互接続します。このVMware Cloud in AWSでは、アプリケーション開発とテストが行われています。新しいアプリケーションおよび/またはアップデート版アプリケーションの本番環境への展開準備ができると、ユーザートラフィックは一時的に全アプリケーションやデータの複製が行われているワシントンDCのセカンダリのデータセンターにルーテイングすることが可能になります。これによって、新規/アップデート後のアプリケーションをユーザーへのサービスに支障を及ぼす可能性のある本番環境に導入する際にも確実に問題が発生しないようにします。

新しいアプリケーションがニューヨークのプライマリの本番のデータセンターで安全に稼働すれば、その後、ユーザーのトラフィックをシームレスにそのデータセンターに戻すことができます。そして、セカンダリのセンターでは、新規/アップデート後のアプリケーションが取り込めるように更新されます。また、ユーザーのアプリケーションのトラフィックを計画的な保守作業の間に、本番環境を複製するためにマルチクラウド環境へ転送することも可能です。 しかし、クラウドからのデータ送信で発生する費用に比べると、アプリケーションワークロードやデータをセカンダリのデータセンターの施設にルーテイングする方が、費用対効果が良いかもしれません。

クラウド間

益々多くの企業が2社のクラウドプロバイダーを管理しなければならないことを認識しつつあります。その理由としては、合併や買収、あるいは企業のアプリケーションがある特定のクラウドプラットフォームに(別のクラウドプラットフォームに比べて)適しているからです。このような状況は、マルチクラウド環境の高可用性を活用する絶好の機会をもたらしています。ECX Fabricは、マルチクラウドプロバイダーと企業のITインフラストラクチャ間でソフトウエア定義の相互接続を提供します。高可用性とデータ複製で2つの異なるクラウドプロバイダーにミッションクリティカルなデータと業務アプリケーションを複製することで、強固で信頼性の高いマルチクラウドBC(事業継続性)とDR(災害復旧)のインフラストラクチャを構築することができます。

この構成は、ハイブリッドのクラウドパフォーマンスとセキュリティ、そして柔軟なマルチクラウドの高可用性が可能になる設定になっています。必要に応じて2つの異なるパブリッククラウドプラットフォーム間で同時にクラウドベースのアプリケーションとデータ複製を行う機能を備える一方で、企業の要件(今回のケースでは、Microsoft Azure StackまたはAWSのどちらかに)に最も対応できる特定のプライベートとパブリックのクラウドプラットフォームに接続できるように 企業のIT組織がオンプレミスのアプリケーションとデータベースを設定することが可能になります。

これらは、マルチクラウドのインフラストラクチャを利用して高可用性を実装する数ある方法の中のほんの数例です。ECX Fabricで高可用性の環境をPlatform Equinixで実装する際に、1,800を超えるネットワークプロバイダーのオプションから選択して、冗長ネットワーク接続(仮想および物理的)も構築することが可能です。 また、災害時には接続に負荷がかかったり、断絶したりする可能性があるため、冗長化するとともに適切なネットワークプロバイダーを選択するべきです。Network Edgeサービスと併用して、ECX Fabric Portalを活用し、CiscoJuniper NetworksPalo Alto Networksなどのプロバイダーからクラウドプラットフォームへ冗長仮想ネットワーク接続を数分で確立することも可能です。エクイニクスのグローバル・クラウド・エコシステム内に存在する 2,900以上のクラウドやITサービスのプロバイダーからも選択可能です。

ハイブリッドやマルチクラウドのインフラストラクチャが備えている高可用性の活用方法は、これ以外にもたくさんあります。Hybrid Multicloud Blueprint では、他の設計方法やクラウド展開のシナリオのアイデアを提供しています。

エクイニクスのプロフェッショナルサービスの Two-Day Cloud Readiness Workshopでは、企業でカスタマイズしたハイブリッド/マルチクラウドのインフラストラクチャの展開方法を学ぶこともできます。

 

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