金融サービスと公共機関のデジタル化

情報技術の分野において、金融サービスと公共機関には共通する特徴があります。機密データを預かり、規則が厳格なため、リスク回避し、イノベーションに遅れをとる可能性があります。同時に、特定のユーザーにサービスを提供するということは、既存のITインフラやデータセットがサイロ化された状態で、従来の一元的なシステムおよびネットワークを中心に構築されることを意味しています。

しかしデジタル化の波は、全ての業界や地域に及んでいます。民間組織や公共機関の両方で変革が進められている最大の要因は、ITの進化に伴う新たな規則、およびデータのプライバシーやデータ保護規制によるものです。また、サイバーセキュリティの脅威の高まりや業界の創造的破壊者によって、業界のリーダー達はデジタルトランスフォーメーションの加速へと突き動かされています。そしてユーザーも、デバイスを問わずいつでも利用可能な、よりパーソナライズされたセルフサービスを求めるようになり、プレッシャーが高まっています。

これらの課題の解決には新しいアプローチが必要です。様々な機器で多くのユーザーにもっと素晴らしい体験を提供するには、企業や組織はデータのインサイト(知見)を統合し、分散型ITアーキテクチャをまたいでデータトラフィックを交換できる準備をしなくてはなりません。ハイブリッドマルチクラウドのインフラは、これらの産業における特殊な規制、セキュリティ、データレジデンシーの課題の対応に一番適しており、その課題を克服することは、単なる「ワークロードのクラウド移行」を超えた意義を持っています。企業顧客のハイブリッドITアーキテクチャの設計に関して、エクイニクスとオラクルがどのようにサポートしたかについて以前のブログでも説明したように、企業はデジタルインタラクションに対応したネットワークのスピード、トラフィック量、そして中心となるインフラの検討が必要です。

エクイニクスとオラクルでハイブリットマルチクラウドを早期に導入

デジタルトランスフォーメーションへの道程は、特定の金融サービス、政府のIT目標、および組織全体の使命によって多少違いがあります。しかし、企業の変革を劇的に早めてくれる「エッジにおけるプライベート相互接続とITの展開」において、いくつか共通のベストプラクティスが存在します。このダイナミックな流れは次の4つの例から理解できると思います。この4つの例は、エクイニクスとオラクルによって様々な金融サービス会社や政府機関がいかに迅速にデジタル化を実装したかを説明しています。最初の3例は架空のケースですが、実際の顧客のユースケースの研究から生まれたInterconnection Oriented Architecture™ (IOA™) ブループリントをベースにして作成しています。 Equinix Cloud Exchange Fabric™ (ECX Fabric™)を介し、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のFastConnect を活用して、世界中のその他クラウドとネットワークへ、そしてオンプレミス環境やOCI環境間のセキュアなダイレクト接続の構築を実現している例です。 世界全体でエクイニクスの International Business Exchange™ (IBX®)のデータセンター間を相互接続しているECX Fabricによって、セキュアに直接接続をクラウドプラットフォーム(*このクラウドプラットフォームは、企業のデータセンターと同一区域でない場合もある)に接続することが可能になり、 同一区域でOCIのFastConnectが存在しないメトロ(都市)においてもOCIへの接続性に対し最適化が行われます。

1.Tier 1/Tier2(新)アプリケーションへの移行と改善

例えば電子決済のプロバイダーが、「クラウドネイティブ」の次世代の決済処理に対抗するためにE-Business SuiteやJD Edwards ERP(エンタープライズリソースプランニング)のアプリケーションの敏捷性と拡張性の改善を希望するケースを想定して下さい。この目的を達成するために、同社はOracle Cloud Infrastructure(OCI)にこれらのアプリケーションを移行することを決定しました。Platform Equinix® 上のECX Fabricを介し、OCIのFastConnectを活用してオンプレミスとOracleのクラウド環境の間に直接接続を構築します。これにより、初期移行や2つの環境間の継続的なプライベート接続に企業が必要とする安全性の高い高速接続が提供され、将来の拡張のニーズに対応可能になります。

最新テクノロジーに詳しい消費者の要求、そしてリアルタイム処理や動的データ処理機能を有する新規参入のフィンテック会社が提供するサービスに追いついていくために、金融サービスの企業にはプライベート相互接続を活用したITインフラの再構築やエッジでの分散が必要とされます。決済とコマース資産管理 とリテールバンキング業務に対応するデジタルエッジのプレイブックは、これらの金融サービス会社がどの段階でもデジタルトランスフォーメーションを採用できるステップを提供してくれます。

2. データベースの移行と統合

ある大規模の政府系機関のシナリオを例にとって説明しましょう。この政府機関は、直近に発令されたクラウド活用のためのIT近代化の指針に遵守するため、150のオフィスに分散するITシステムを統合する必要に迫られました。この政府機関の主な懸念点は機密データを扱っているため、全データをクラウドに移行する選択肢がないことです。同時に、この機関は厳格な予算制限のもとで運用を行わされており、費用も大きな検討要因です。しかし、オラクルやエクイニクスを活用してハイブリッドクラウド隣接型アーキテクチャを実現することで、この政府機関はセキュリティ、モニタリング、データガバナンスに関する政府指針を満たしつつ複数のクラウドサービスを接続できるようになります。機密データは、バージニア州のアッシュバーンにある政府機関レベルのEquinix IBXデータセンター内のOracle Exadata Database Machineに格納されます。機密性のないワークロードやデータは、優れた費用対効果と柔軟性を享受できるパブリッククラウドへの移行が可能です。Oracle Cloud InfrastructureのFastConnectをECX Fabricを介して利用することで、政府機関は全てのオフィスやビジネスパートナーをシングルポートで簡単に接続することが可能になります。加えて、GSA(連邦調達局)の EIS、Networx、WITSなど、調達契約を有する政府のネットワークプロバイダーもEquinixで相互接続している政府エコシステムに参加しています。

アメリカ連邦政府のIT近代化の指針は、セキュリティ、拡張性、オムニチャネル接続に対応する一方で、共有サービスモデルに対応可能な相互接続の分散型ITアーキテクチャも必要になります。アメリカ連邦政府デジタルエッジプレイブック は、政府のデジタルトランスフォーメーションを加速するために連邦政府機関が取れる3つの簡単なステップを概説しています。

  1. 高度なデジタルテクノロジーをハイパフォーマンスのワークロードに統合

この例では、保険会社がアンダーライティング(引き受け)、不正防止、そして新しいデータ主導型のサービスの開発に、人工知能(AI)の活用を開始したいと考えています。この目的を達成するために、これら保険会社はデータ交換またはヘルスインセンティブや利用ベースの保険料のIoTトラッカー等の将来の新たなデータソースとともに、現行のアンダーライティングのシステムからデータを取得し、分析する新しい分析データマートの構築を必要としています。Oracle Autonomous Databaseで、クラウド内でデータウェアハウスを実装することで、企業は簡単に必要に応じて新しいデータソースや分析の需要に合うようにスケールアップ/スケールダウンすることができます。ECX Fabricを介したOracle Cloud InfrastructureのFastConnectを活用することで、企業は全てのクラウド内に存在する新しいデータベース/データソース/アプリケーション層をOracle Autonomous Database Cloudに接続でき、オンデマンドで迅速に大量データを取り込むことが可能になります。

Platform Equinixは、Equinix Insurance Data Exchange(保険データ交換)のエコシステムとして知られているデジタル保険マーケットプレイスで、世界有数の金融センターの保険業者、引受人、ブローカー、異常災害やキャピタルモデリングサービスプロバイダー、データ交換、価格情報ベンダーの全てと相互接続しています。

保険業界の相互接続が普及するにつれて、不正防止対策や新しいデータ主導のサービスを開発するために、高度なデジタル技術やAIやIoTなどのデータソースを自社の「アンダーライティング(引き受け)」システムに統合する保険会社が増えています。保険に関するデジタルエッジのプレイブックは、デジタル性能の価値を高めるために保険業者が取るべきステップを要約しています。

  1. 事業継続性/災害復旧を実現

HAVIは、フードサプライチェーンとロジスティクスのグローバル企業です。HAVI社は、世界全体の予測やデータウェアハウス(DW)や災害復旧(DR)の機能を拡大する必要があります。このような課題に対応するのに、EquinixとOracleがHAVI社に協力して、シカゴにあるEquinixのIBXデータセンターに本番のExadadaのデータウエアハウス(DW)をコロケーションしました。HAVI社は、本番環境のある施設から離れた場所にDR環境を構築することを望んでいました。ワシントンDCにあるEquinixIBXデータセンターは、シカゴの本番環境と(地理的に)離れた場所にあり、また、OCIのバージニアのアッシュボーンに近接しているのため、この要件を満たしています。HAVI社は、OracleクラウドインフラのFastConnectをECX Fabricで利用し、クラウド内のDR(災害復旧)のソリューションをシカゴの本番環境と相互接続しました。この複合ソリューションは、パブリックインターネットをバイパスすることで、HAVI社は本番のOracle Exadata DWからDR環境に直接データの複製を作ることが可能になります。HAVI社では、毎日12~15テラバイト(TB)をDR拠点にデータを移し、DR(災害復旧)でオペレーションをリストア可能なOracleのクラウドインフラのFastConnectを介してOracleのクラウドにこのデータを移動します。

「拡張可能なDBマシンであるOracle ExadataとOracleクラウドインフラに加えて、EquinixのグローバルフットプリントとCloud Exchange Fabricの機能によって、我々が過去において不可能と思っていたDRソリューションを開発することに自信が持てるようになりました」とMarc Flood氏( HAVIのCIO)は述べています。

事業継続計画の策定は、気候リスクが高まる世界で企業が生き延びるために不可欠です。災害発生時に、企業は運営を継続し、データの安全を確保する必要があります。金融サービス業界では、1秒のダウンタイムが収益ロスにつながることを意味するため、よりいっそう重要になります。

上記で説明している金融サービスと政府機関のデジタルエッジのプレイブックには、IOA Knowledge Baseに記載されている具体的な設計ブループリントに詳述されている展開戦略が活用されています。

詳細情報は、「Hybrid IT: Why Cloud Adjacency Mattersのホワイトペーパーをご覧ください。

2019 Oracle OpenWorldにてお目にかかれることを楽しみにしています。

Equinixは、Oracle OpenWorld 2019 (2019年9月16-19日)のシルバースポンサーとして参加します。 EquinixとOracleにより実現された内容やその他のユースケースについても、ブース#417にてご紹介します。

  • (午前10時)     カスタマーケーススタディ:EquinixがJD EdwardsのOracle Cloud Infrastructureへの全面的移行を可能にした方法(OCIセッション)
  • (午前11時15分) オラクルのミッションクリティカルなデータベースをクラウドのアプリケーションに接続
  • (午後1時45分)   Equinixを介してOCI FastConnectがサポートするAutonomous Databaseのパフォーマンス向上

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