これからのクラウドゲーミング

インターコネクション(相互接続)の低レイテンシがもたらすものとは

オンラインゲームは、1951年に発売された初期のカスタムメイドのコンピュータゲームの1つであるNIMRODの登場以来、大きな進歩を遂げてきました。ゲームは、シングルプレイヤー・アーケードゲームから、マルチプレイヤーゲーム、そしてポケモンのようなとらえどころのない拡張現実(AR)のキャラクターを探すのにスマートフォンを使って街に繰り出すモバイルゲームへと進化してきました。時間の経過とともに、オンラインゲームは世界中でインタラクティブに参加するプレイヤーの数が増え、ESPN(アメリカのスポーツ観戦専門チャンネル)の視聴者が観るようなスポーツになりました。eSports Trade Association[1]によると、2019年には世界中で視聴者が4億5400万人に達すると推定されています。

ゲーム開発者は、さらにイノベーションを推進し、ゲーム性を高めるためにさまざまな技術のトレンドの強みを生かし続けています。例えば、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を介しての没入型のゲームプレイは、現実世界とほとんど見分けがつかない写真のようなグラフィックスをサポートしています。これらVR/ARのプラットフォームは、プレイヤーがバーチャルの空間でそれぞれ繋がり、社会的に交流するための方法を切り開いてくれています。5Gのモバイルネットワークは、ゲームのダウンロードのスピードを向上させ、レイテンシも抑えて、より壮大なマルチプレイヤーのエクスペリエンスを可能にするためにより多くの同時接続を実現していくでしょう。

クラウドゲームは、音楽やビデオと同じように、インターネットに接続しているあらゆる機器(スマートウォッチ、複合現実の眼鏡)からゲームをストリーミングすることによって、次世代の進化への飛躍をもたらしています。クラウドゲームのプラットフォームは、ゲーム開発者が既存のゲームを改良し、新しいタイプのゲームを作成できるようなオープンソースのゲームに必要な計算やストレージのリソースを提供することができます。これによって、小規模でニッチなゲーム開発者が市場に参入する際のハードルを取り除くことができます。

これらのゲーム界でのイノベーションと依存関係にある「レイテンシー」は、ゲームのエクスペリエンスを台無しにする可能性があります。

クラウドゲーム業界は、共通の目標を持つ激戦区である

サービスとしてのゲームは目新しいものではありません。Sony PlayStation、LiquidSky、Vortex、NVIDIA GEForce、Parsec、およびElectronic Artsは、クラウドベースのサブスクリプションサービスとして、過去から現代にかけてゲーム体験を提供しています。ハイパースケール・クラウドプロバイダーであるMicrosoftとGoogleも、Microsoft Xbox One「Project xCloud」とGoogle Stadia「Project Stream」というストリーミングゲームサービスを投入し、この秋からクラウドゲーム市場に参入する予定です。

これらのプロバイダーが提供するゲーム機能や価格モデルのタイプに関係なく、共通することが1つあります。「超低レイテンシー」はゲームの体験において重要、ということです。Googleは3月のGame Developers Conferenceで、サービスプラットフォーム 「Stadia」 と 「Project Steam」 をお披露目した際のプレゼンテーションの大部分を割いて、ユーザーがプレイ中に経験するレイテンシの恐怖について語っていました。同社は、ゲームの全てにおいて、ある程度のレイテンシが発生すると説明しています。

  • HDMI転送:16-33ミリ秒(ms)のレイテンシ
  • モニターのリフレッシュ率:4-16 ms
  • 周辺機器のUSDポーリング:約8 ms

下図は、オンライン中のゲームプレイヤーへのレイテンシの影響を表しています。

一方、ゲームのパフォーマンスへの最大で最も予測不可能な影響は、ネットワークの輻輳、パケットロス、利用可能な帯域幅の不足やジッタ(連続してパケットを送信する間に起こる遅延)によるレイテンシです。これらの問題は、一般に集中化されているゲームプラットフォームで発生します。コンテンツは(本来)長距離ネットワークに渡って複数のルータホップやピアリングポイントを通過する必要がありますが、この場合のネットワークインフラは、リアルタイムのクラウドゲームを十分に対応できていません。パケットのバッファリングやコンテンツキャッシュによって、ユーザーへのパケットの継続的なストリームが中断され、不安定なゲーム体験が提供されてしまいます。必要なのは、ユーザーがどこにいても近くのクラウドゲームが利用できること、あらゆるゲームデバイスで同一の安定した方法でサポートすることです。つまり、これは文字通り、クラウドゲーミングプラットフォームをエッジに持ってくることを意味しています。

ダイナミックなクラウドゲームにはダイナミックなネットワークが必要

クラウドゲームの企業は、その基盤のネットワークがネットワーク内で何が起こっているかを自動的に感知して拡張し、レイテンシの条件や帯域要件の変化に対応する必要があります。それによって、安定したユーザーパフォーマンスとゲーム性が維持されるため、適切な(許容可能なレベルの)レイテンシとスループットを提供できる唯一の方法となります。つまり、クラウドサービスを提供するゲーム会社は、世界中のどこにいても、ゲーマーが密集している場所の近くで「可用性ゾーン」を分散させておく必要があります。

これら全てのゲームのもう1つの重要な依存要素は、ピアリングインフラへのアクセスです。こうしたゲームの大部分がインターネット上でプレイされていることを考えると、最大数のプレイヤー集団にローカライズしたアクセスを提供するために一番早くて簡単な方法は、多くのインターネットのピアリングに参加させることです。インターネットのピアリングが登場した理由は、1つのネットワークだけでは場所を問わず繋がることが不可能だからです。ピアリングエクスチェンジによって、複数のインターネットサービスプロバイダー(ISP)が、さまざまなベンダーのルーターでいっぱいの部屋にアクセスできるようになりました。例えば、プレイヤーが特定の場所にあるクラウドゲームシステムに接続するには、VerizonとAT&Tが互いに通信し合う必要があります。多くのISPにとっては、Equinix International Business ExchangeTM(IBX®)データセンターが、まさに「特定の場所」となります。そこは相互接続・コロケーション施設であり、企業が接続してネットワーク間でトラフィックを転送する「ピアリングエクスチェンジ」を運用する場所となります。


「Bladeは、成長とパフォーマンスの向上の二つの目的を達成するために、グローバルのインターコネクション(相互接続)とデータセンターのプラットフォームにエクイニクスを採用しました。」


ゲーム会社、クラウド企業、ネットワーク企業は、地理的に世界中に分散しています。北米を例に挙げると、エクイニクスはトロント、ニューヨーク、ワシントン、アトランタ、マイアミ、ダラス、シカゴ、サンフランシスコベイエリア、シアトル、ロサンゼルスでIPピアリングエクスチェンジを運営しています。こうしたさまざまなピアリングエクスチェンジに参加し、各IBX施設を中心にネットワークが開通すれば、米国の大多数の人々とのピアリングエクスチェンジとの間で20ミリ秒未満のレイテンシを実現することができます。これは、ほとんどの大規模なゲームで許容されるに十分な値です。米国内の4つ以上のピアリングエクスチェンジに加入しているゲーム会社は、ピアリングエクスチェンジを1つや2つだけに加入しているゲーム会社よりも優れたパフォーマンスを発揮することができます。

クラウドでレベルアップ

昔からゲーム会社は、複数のプレイヤーがゲームをストリーミングするために必要な処理能力を獲得するためにクラウドの自動スケーリングに価値を見いだしていました。例えば、クラウド上の多数の仮想マシンを活用することで処理能力を迅速に拡張できます。数年前に、MicrosoftがXboxのマルチプレイヤーゲームを発表するイベントに参加しましたが、ゲームを開始してから5分以内でシステムがAzureクラウドに8万コアをスピンアップすることで、負荷の増加に対処できることを実証していました。

しかし、クラウドネイティブのゲームでは、コンソール自体が高価であり、前述の通りレイテンシという固有の問題を持つコンソールを排除することが考慮されています。オンラインゲームを完全にクラウド上のプレイに変えることで、開発者はMicrosoftやGoogleのようなハイパースケールのクラウドプロバイダーと共に、分散型ピアリングエクスチェンジを利用できます。

クラウドベースのゲーム会社のBladeとそのゲームプラットフォーム「Shadow」を例にとって見てみましょう。パリを拠点とする同社は、世界的な拡大を目標に、2万人のユーザー数を10倍に増やそうとしていました。また、世界中で16ミリ秒未満のレイテンシを実現することでオンラインのゲーマーのパフォーマンスを向上させることも目指していました。Bladeは、グローバル展開するインターコネクション(相互接続)とデータセンタープラットフォームを基準に、成長とパフォーマンスの向上という2つの目的を達成するためにエクイニクスを採用しました。Bladeは、エクイニクスが特に米国を中心とした国際的な存在感を示し、拡張性と安全性に優れたインフラを有していることは認識していました。さらに、Equinix Internet Exchange経由でアクセスできる通信事業者やネットワークプラットフォーム、さらにはEquinix Cloud Exchange Fabric経由でアクセスできる通信事業者やネットワークプラットフォームが多数集中していて、オンラインゲーム業界で可能な限り低いレイテンシを実現できました。

また、Pearl Abyss, Tencent やZyngaなどその他のゲーム会社である顧客の多くが、 Platform Equinix®上のクラウドプロバイダーに高密度でエコシステムが集中していることに加えて、インターネットピアリングのインフラの重要性を認識しています。

オンラインゲームがクラウドに移行するにつれて、ゲーム開発者、ハイパースケールのクラウドプロバイダーやプレイヤーが、拡張可能で高機能、低レイテンシのインターコネクション(相互接続)を利用することで恩恵を享受しています。

ECX Fabric と Equinix Internet Exchangeに関しては、こちらをご覧ください。

こちらもご覧下さい。

Games and interconnection – What do they have to do with each other?

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