ソフトウェア定義の冗長ネットワークの活用方法

アプリケーションの優れたパフォーマンス、継続性、高速化を簡単に実現

デジタル社会では、注目度の高いオンラインサービスの停止が直ぐにニュース速報の見出しになります。 どのようにシステムの停止が発生するか不思議に思っている方は、Uptime Instituteが提供している情報をチェックして下さい。2016年1月~2018年6月の期間中に、研究者が100以上の主要サービスの停止に関するデータを収集し、1,104名のデータセンターのオペレーターとIT実務者を対象にグローバル規模で調査を実施しました。調査結果は以下の通りです。83%のシステム停止原因の内訳が、電源(36%)、ネットワーク(25%)、ITシステム(22%)との結果が出ています[i]。

業務アプリケーションのパフォーマンスと継続性の実現については、言うまでもなくネットワークの冗長性が重要です。ソフトウェア定義のインターコネクション(相互接続)により、容易かつスピーディーに冗長ネットワークの設計と展開が可能になります。

ネットワークの冗長性とその重要性について

昔から「一つより二つの方がいい」と言われていますが、ネットワークの冗長性はその良い例えだと言えます。 単一のネットワーク機器やリンクに障害が発生した場合、冗長化されていればサービス停止を回避するためのバックアップになります。また、同時に2つのネットワークが稼動している場合、負荷を共有する(ロードバランシング-負荷分散)ことも可能であり、業務アプリケーションのパフォーマンスや持続性において重視すべき点でもあります。過負荷のネットワークはレイテンシー(遅延)の増加をもたらし、音声やビデオアプリケーションにおけるパケットロスやジッタが増加し、ネットワーク障害の根本的な原因にもなる可能性があります。

では、なぜIT部門はネットワークを冗長化しないのでしょうか?おそらく費用が主な原因だと思われます。ネットワーク機器やリンクを冗長化するのはかなり費用がかかりますが、わずか1分のダウンタイムで発生する費用に比べれば足元にも及びません。Uptimeの調査によると、回答者が報告したシステム停止の3分の1は、インシデント一件あたり25万米ドル超の費用がかかったとの結果が出ています。

容易にネットワークの冗長化を実現

IT管理者がネットワークの冗長化を避けるもう一つの理由は、自社のインフラが複雑になるからです。しかし、必ずしもそうであるとは限りません。なぜならソフトウェア定義のネットワーク技術で、API連係型のツールや事前設定済のユーザーフレンドリーなポータルを使用すれば、わずか数分で冗長ネットワークを設計・展開できるからです。

また、スピーディーでセキュアなフェイルオーバやアプリケーションのリカバリを可能にする方法として、プライマリとセカンダリのデータセンターにあるITインフラにプライベート接続するための手段にソフトウェア定義のインターコネクション(相互接続)を活用することも可能です。Equinix Cloud Exchange Fabric™ (ECX Fabric™)などのソフトウェア定義インターコネクション(相互接続)のファブリックによって、複数の都市を横断して複数のクラウドサービス(同一または異なるクラウドプロバイダ)へのアクセスを可能にし、顧客が選択したネットワークサービスプロバイダ(NSP)を利用して接続することができます。下図は、データセンター、ネットワークサービスプロバイダ(NSP)、クラウドサービスプロバイダ(CSP)の複数階層の冗長化を提供するハイブリッドITインフラの展開方法を示しています。

  • データセンターの冗長性:複数のデータセンターにわたる複数都市のインターコネクション(相互接続)は、ECX Fabricを介して実現できます。ダイレクトなプライベートのインターコネクション(相互接続)は、我々が制御不能なネットワークの輻輳や障害のリスクがあるパブリックインターネットよりも信頼できるセキュアな接続を可能にします。ECX Fabricは、複数のECX FabricのNSPパートナーやその顧客向けのネットワークアグリゲーションやデータ交換ポイントとして機能しています。ECX Fabricは、例えば2つの異なるNSPリンクと2つのECX Fabricを接続するための冗長接続用のデュアルポート(デュアルホーム)でオーダーや設定が可能です。加えて、何かの理由で2つの別々のネットワーク上にデータトラフィックを分割したい場合、ポイントツーポイントのSD-WAN接続とECX Fabricが共存することも可能です。このような柔軟な設計では、ECX FabricやSD-WANのインフラが、双方のバックアップ接続サービスとして機能することが可能になります。
  • ネットワークの冗長性:ネットワーク帯域を拡張し、低レイテンシー接続で顧客にできる限り最善のQoS(サービスの品質)を提供するために、世界中の多くのNSPは、Internet Exchangeを介してエクイニクスのIPピアリングを活用しています。冗長ネットワーク構成では、それぞれのNSPの最小レイテンシーと最大スループットから「最適なパス」を選択してソースと宛先の位置 (PoP:Point of Presence)間でデータトラフィック負荷のバランスを取って分散することができます。 ECX Fabricによって、冗長化された物理的なポートを介したハイスピードで低レイテンシーの接続環境で、1対多のインターコネクション(相互接続)が可能となり、NSP、クラウド、SaaS、ITサービスプロバイダ、大企業、中小企業の各インフラ接続することができます。 このようにネットワークの冗長性によって、ネットワークの障害が発生した際に、負荷分散と事業継続の両方が実現されます。
  • クラウドの冗長性:完全に冗長化されたECX Fabricのネットワークの設定(下図のSVやDCのエクイニクスInterconnection Business Exchange™ (IBX®)データセンターは、密度の高いクラウドエコシステム上に2つの接続先を提供します。ECX Fabricを介して、より優れた事業継続性を確保するために、クラウドのエコシステムにアクセスし、プライマリとセカンダリのクラウドの環境を活用することができます。

繰り返しますが、重要なポイントは、データセンター、ネットワーク、クラウド間をできる限り冗長化することです。

ECX Fabricを活用した完全に冗長化された複数都市圏でのアーキテクチャ

スピーディーで簡単な冗長ネットワークの設定方法

ここからは、標準的なソフトウェア定義のAPIやECX Fabricのカスタマーポータルを活用して、APIとECX Fabricのカスタマーポータル冗長ネットワークの設計、構築、展開のツールを紹介します。

  • ECX Fabricネットワークリンクマップ:ECX Fabricのネットワークのリンクマップは、世界中の都市にあるECX Fabricの展開を計画している顧客を支援できるツールの1つです。これは、世界中の都市にあるECX FabricのPoP(Point of Presence)間のNSPリンクの可用性、往復時間、パケットロス、ネットワーク使用率、ジッタにおけるリアルタイムの統計を提供してくれます。災害対応のためにプライマリとセカンダリのネットワークパスを構築するとともに、最善のQoSを提供できる冗長ネットワークのルートを企業が計画を行う際のサポートを行います。パフォーマンや事業継続性のために企業が冗長ネットワークの設計を行う際に、気を付けるべき重要点が1つあります。それは必要に応じて、負荷に対して100%対応できるように両方のネットワークを構築することです。これによって、パフォーマンスの急増、またはネットワークの1つが完全停止した場合も対応が可能なります。そしてこれらのソフトウェア定義は1日単位で設定することができるため、未使用の容量に料金を払うことを心配する必要がありません。さらに、セカンダリネットワークが必要に応じてスピンアップ/スピンダウンするように自動スクリプトを開発することができます。
  • カスタマーポータル:ECX Fabricのカスタマーポータルは、サービスプロバイダ、別のエクイニクスの顧客、またはエクイニクスIBXデータセンター内のECX Fabric上の自社のインフラにおけるネットワーク構成やクラウド接続の構築をサポートします。

ECXカスタマーポータルでは、自動フェイルオーバまたは負荷分散を行うため、わずか数分間で冗長ネットワーク上にプライマリとセカンダリのクラウド接続をプロビジョニングすることも可能です。冗長性は、各ECX Fabricハブに組み込まれており、CSPの設定(例えばMicrosoft Azure)は、冗長化されたクラウド接続が必要とされる場合もあります。

ソフトウェア定義のネットワークやインターコネクション(相互接続)のAPIやツールを使用することで、ネットワークを完全に冗長化することが可能となり、企業がデジタルビジネスをスムーズかつ継続的に運用するための労力とコストに対する投資効果を十分に得ることができます。

Equinix Professional Serviceのネットワークとクラウドコンピューテングの専門家が提供するCloud Readiness と Cloud Optimized WANのワークショップを是非活用して下さい。これらの専門家チームは、既存のITインフラに関する査定をおこない、優れたパフォーマンスや事業継続のための冗長ネットワークやハイブリッドマルチクラウド設定の設計・展開に向けての成功戦略を策定するためのサポートを提供します。

[i] Uptime Institute、「システムの停止は日常的に発生するものであり、コスト高だが未然に防止可能であることをUptime Instituteのデータが証明」 2018年6月

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